苫小牧で活動する陸上競技クラブ、沼ノ端RSCでは小、中学生32人が好記録を目指し、練習に励んでいる。今年、男子100メートルで11秒51の好タイムを出し、全道大会にも出場してきた吉道渚亜(よしみち・しょあ、ウトナイ中3年)が注目株。今シーズンのさらなる飛躍を目指す。
吉道は兄の影響でクラブ入りした小学5年から全道級大会に出場を重ねてきた。中学1年時と比較して自己記録を1秒更新する成長を見せた昨シーズン前半を振り返り、「6月の室蘭通信大会までは自分らしいキレのある走りができていた」ものの、後半については「腕の振りがずれたことでタイムが出なくなってしまった」と話す。
課題克服のため、冬季にはコーチの助言を受けながら走りのフォームを改善。技術面のみならず、「気持ちがネガティブな考え方をしていたところをコーチに励ましてもらい、強くなれた」と精神面も強化した。鍛錬を積んで臨んだ今シーズンは5月3日に行われた苫小牧春季大会で11秒51をマーク。2年生当時の昨年に記録した全道大会出場標準を上回る自己ベストを100分の1秒縮めた。「今シーズンは腕の振りが修正できていて自分の走りができている」と手応えを語る。
今季はクラブの主将も務め、小、中学生をまとめる立場になった。「大変なところもあるが自分自身も学べるいい環境」と意欲的だ。
チームで指導歴39年になり、これまで実業団で活躍する選手も輩出してきた島崎鶴松代表は吉道について「素直に練習に取り組んでくれる。小学の時からじっくり育てたことが今につながった」と話す。本格化するシーズンへ「けがなく、悔いのないレースをしてほしい」と期待する。
吉道は「しっかり成績を残して、いろいろな高校から注目される選手になりたい」と中学最後のシーズンへの意気込みを語った。直近では7日に苫小牧市で行われる東胆振中学校陸上競技大会に練習成果をぶつけ、8月に沖縄県で行われる全国大会を目指す。