4年ぶりの初戦突破にはあと一歩手が届かなかった。オール苫の本間監督は「うちは点数が取れるチームじゃない。少ない失点で守り切る」とのゲームプラン通り、先発した井樫が六回まで被安打4、1失点と好投し、競り合いの展開に持ち込んだ。
そして1点を追う六回に好機は訪れた。1死三塁で打席に立ったのは外野手で5番の片野。「ヒットを打つしかない」と腹をくくって左前にしぶとく運んで同点打。その後片野は二盗も決めて、逆転の足場はつくったが後が続かず、反撃はここまで。
直後の七回に井樫、救援の浦崎が東北海道打線につかまり、一挙4失点で突き放された。本間監督は「あそこでもう1点取れな
かったことで流れがこちらに傾かなかった」と語った。
昨年は無得点で敗退したチームに貴重な1点をもたらした片野は苫小牧中央高出身で、社会人となってからは札幌の2チームに7年所属。オール苫の20年選手で大先輩の河合兄弟らから毎年誘われ続けて今年、「地元苫小牧に恩返しがしたい」と移籍を決意。自身の名前「蒼一朗」から米大リーグで活躍したイチローさんの活躍にあやかろうと「背番号51」を着けてプレーしている。
最高峰を目指す都市対抗は特別な大会。「1年間準備して来年こそはいい結果を出したい」と苫小牧に1勝をもたらすことを誓った。