肥満になると尿酸値が高くなる仕組みが明らかになったと、帝京大などの研究グループが発表した。
尿酸値の上昇には遺伝や生活習慣などの環境要因が関わっている。血糖値を下げるホルモンのインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」があると、尿酸値が上がりやすいことは知られているが、詳しい仕組みや、遺伝と環境要因との関係は明らかでなかった。
研究グループは、英国の約37万人の健康データなどを用い、尿酸値やインスリン抵抗性、食塩摂取量の関係を分析。その結果、インスリン抵抗性が高い人や食塩摂取量が多い人ほど尿酸値が高くなり、腎臓で尿酸を運ぶタンパク質「URAT1」の働きが高まる遺伝型を持つ人は、インスリン抵抗性に伴う尿酸値の上昇が起きやすかった。
また、インスリンや食塩の影響で化学反応の一種「リン酸化」がURAT1に起き、尿酸の排出量が減ることが分かった。研究グループは「URAT1の働きが高まる遺伝型を持つ人は、高尿酸血症予防のため体重管理や減塩対策が重要」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)