釧路市養殖事業調査研究協議会や水産商社ニチモウ(東京)、釧路市漁協などによる、トラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖実証実験事業が始まり、5日までに合計約1万5000匹の中間種苗がいけすへ投入された。
実証実験は2022年度から行われ、初年度はギンザケ、2年目と3年目はトラウトサーモンに挑戦。当初は3年計画だったが2年延長し、今年度もトラウトサーモンの海面養殖実証実験を行う。
今年度はいけすを三つに増やし、2~5日に500グラムサイズ約1万匹と1・2キロサイズ約5000匹を投入。5日は、午前10時ごろにトラック便で到着した500グラムサイズ約5000匹を、岸壁前の海面に設置したいけすに投入し、海水に慣らしていった。天候の影響もあるが、8日には北防波堤付近の外海にすべてのいけすを設置する予定。
水揚げは9~10月を予定しているが、海水温の上昇があれば緊急出荷の可能性もあるとしている。同協議会の市原義久会長は「魚体を大きくして品質向上に取り組み、将来的な事業化を見据え、オール釧路で養殖サーモンができるようにしていきたい」と語った。同事業には今年から、協力会社としてマルサ笹谷商店が参加する。
いけすの中で海水に慣らされるトラウトサーモンの中間種苗