「人でも物でも、好きだと思えばポジティブな生きる力になる」と話す石橋静河=大阪市のNHK大阪放送局 「まったく想像していない未来だった。本当に人生って不思議だなって思います」。俳優の石橋静河が来年秋スタートのNHK連続テレビ小説「ブラッサム」で、主人公の葉野珠役を務める。珠は、明治生まれの作家、宇野千代(1897~1996年)がモデルだ。
タイトルは「開花」を意味し、「咲き誇れ」という意味が込められている。珠は故郷の山口県から上京し、さまざまな人との出会いと別れを繰り返しながら、一流の作家になり、大正・昭和の激動の時代を生き抜く。
「おはん」「色ざんげ」などの作品で知られる宇野。既に幾つかの小説やエッセーを読んだという石橋は「ポジティブだけど、浮ついたポジティブさではなく、自分の真ん中に太い幹があって、地に根をすごく深くまで張っている。天真らんまんさをベースに、ものすごく強い推進力がある方」と印象を語る。
4回結婚した宇野の経歴には驚いたという。「最初は不思議だったが、自分の好きな物や人に猛スピードで突っ込み、全力で向き合った人。その結果、結婚や多くの人との恋愛があり、好きという気持ちに真っすぐな人だったんだと思う」
来年春にクランクインし、1年近くに及ぶ厳しい撮影になる。「不安は、言い始めたら止まらないぐらいある。でも、できることをコツコツと自分のペースでやっていこうと思う」と前向きだ。
幸い友人には連続テレビ小説の主演経験者が多い。「(「ブラッサム」と同じ大阪放送局が制作した)『おちょやん』の杉咲花ちゃんはすごくおいしいものを知っているので、大阪のおいしい店を。有村架純さん(「ひよっこ」主演)には、どうやって(撮影を)乗り切ったのかを根掘り葉掘り聞きたい」