苫小牧市と千歳市にまたがる樽前山(1041メートル)の山開きが12日、外輪山にある樽前山神社奥宮で行われた。樽前山神社の神職をはじめ、市や苫小牧観光協会の関係者、一般登山者ら約30人が参列し、一年の平穏と安全を祈った。
山開きは毎年6月12日、同神社の主催で行っているが、登山道の改修工事に伴って昨年は中止したため、2年ぶりの実施となった。同神社の鎌田孝幸禰宜(ねぎ)ら神職3人が奥宮で玉串をささげるなど神事を行った。
この日は快晴で青々とした支笏湖が眼下に眺められる中、山や苫小牧の市街地に向かっておはらいし、鎌田禰宜は「まちの繁栄と登山客の皆さんの安全を祈願した。入山時には十分な準備を心がけてほしい」と話していた。
一般登山をしていた新潟県の大学生尾形益実さん(21)は神事とともに、溶岩ドームの雄大さや吹き上がる噴煙を見やり「火山ならではの神々しさが感じられ、山に祈りをささげた昔の人々の気持ちを想像させられた」と感激していた。