金沢刑務所(金沢市)で受刑者に不適切な医療が行われ、法務省に公益通報したにもかかわらず放置されたとして、元常勤医らが16日、同省矯正局に調査や是正措置を申し入れた。
申し入れ書によると、同刑務所では2023年11月、複数の糖尿病患者に対してインスリンの投与を突然中止するなど、重篤な合併症を誘発しかねない対応があった。医務課職員が医師の名字が入った複数の印鑑を勝手に購入し、了解を得ずにカルテに押印するなどの問題行為もあったという。医師や看護師が5回にわたり公益通報したが、不当な雇い止めや人事異動をされたと主張している。
申し入れ後に東京都内で会見した元常勤医は「職員の一部には、一般に比べ医療水準が劣ってもいいという根強い差別意識があるのではないか」と指摘した。
法務省矯正局は「個別の申し入れに対するコメントは差し控える」としている。