【カナナスキス(カナダ)時事】石破茂首相は16日午後(日本時間17日未明)、トランプ米大統領とカナダ西部カナナスキスで約30分間会談した。米政権の関税措置を巡る閣僚協議の進捗(しんちょく)状況などを確認し、協議継続で一致した。首相はこの後、記者団に「パッケージ全体としての合意には至っていない」と明らかにした。
日米首脳は「自由で開かれたインド太平洋」を推進し、世界の平和と繁栄に貢献するため日米同盟をさらに強化することを確認した。
首相は関税交渉に関し「率直な議論を行い、担当閣僚にさらに協議を進めるよう指示することで一致した」と説明。「今なお双方の認識が一致していない点が残っている」と指摘したが、具体的には言及しなかった。
首相は記者団から日米合意を目指す時期を問われたのに対し、「国益を守りながら、日米双方にとって利益となる合意ができるよう精力的に調整を進める」と述べ、明言を避けた。在日米軍駐留経費の日本側負担に関する発言はなかったという。
米政権は、自動車に25%、鉄鋼・アルミニウムに50%の追加関税を課している。さらに、ほぼ全ての貿易相手国・地域からの輸入品に一律10%の相互関税を導入。国ごとの上乗せ分(日本は14%)は、7月9日に発動猶予の期限を迎える。
関税措置を巡っては、赤沢亮正経済再生担当相とベセント米財務長官らが計6回協議。日本側は、カナダでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせた首脳間合意を視野に、米側と交渉を重ねてきた。首脳会談には赤沢氏も同席した。