全道展で奨励賞 苫美術協会会員の室谷さん初受賞

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  • 2025年6月17日
全道展初受賞を喜ぶ室谷さん。絵は「三歳の男の子」2点のうち選外となった作品

 第79回全道展(全道美術協会など主催)で、苫小牧美術協会会員の室谷孝枝さん(76)=苫小牧市元中野町=の水彩画が奨励賞を受賞した。念願の初受賞に「さらに上位を目指し、今後も描き続けたい」と創作意欲を燃やす。

 2016年から風景や人物などの水彩画を出品してきたが、これまでは入選止まりだった。今回は「未来を担う子どもの姿を描こう」と奮起。今月4、5両日の審査で、3歳ごろの長男をモチーフにした「三歳の男の子B」(F50号)が奨励賞に輝いた。実家で、幼い息子が絵を楽しむ様子を収めた古い写真を参考に制作したという。

 出品した2点のうち夢中で絵を描く姿の作品は選外だったが、足元の絵を立って見詰める自然な表情を捉えたもう一作品が高評価を得た。

 29年前、交通事故で脳を損傷し、現在も右半身にまひが残る室谷さん。両手を使って創作して個展を重ね画歴は30年を超える。「平和を描きたいと考えており、表現することが生きる糧になっている」と語る。

 今回の全道展には絵画、版画、彫刻、工芸の4部門に計321点の作品が寄せられ、35点が入賞、174点が入選した。

 入賞、入選作品は22日まで(月曜を除く)、札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)に展示されている。入場料(当日)は800円(23歳以下と障害者は無料)。午前10時~午後6時(最終日は午後4時半)。

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