苫小牧信用金庫は17日、市内のホテルで通常総代会を開いた。北海道財務局から業務改善命令を受けた責任を取り、小林一夫理事長ら代表理事全5人を含む理事・監事計10人が退任。新たな理事長に久保田順司常勤理事を選任した。久保田新理事長は総代会後に記者会見し、「このような重大な事態を重く受け止め、経営管理態勢の再構築、内部統制の充実、皆さまの信用、信頼回復に向けて取り組んでいく」と述べた。
退任した代表理事はこの他、森本恭行専務理事、畑信也、柴田祐二、大沼徹各常務理事。この他、杉村龍生、川端隆志、伊藤邦宏各理事、蓮沼政浩、檜森聖一両監事も退任した。
新理事長に就任した久保田氏は、千歳支店長、本店長などを歴任し、2019年6月に業務執行役員となり、23年6月に常勤理事に就いた。
総代会は午前10時から開催し、冒頭のみ報道陣に公開した。小林氏が冒頭あいさつで「ご信頼を著しく損なう事態となり、皆さまに過大なご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝し、「新しい経営陣の下、役職員一丸となって業務改善計画を着実に実行する」と誓った。
同信金は5月9日、経営管理態勢と法令順守態勢に問題があったとして、北海道財務局から業務改善命令の行政処分を受けた。同信金は、第三者委員会や業務改善委員会を設置した上、主に▽経営責任の明確化▽経営管理態勢の確立―など大きく分けて4項目に取り組むとした業務改善計画を今月9日、同局に提出していた。