ドラマにはダンスシーンも。「ダンス経験はないけれど、曲も覚えやすかったので練習からすごい楽しかったです」と話す綾瀬はるか=東京都渋谷区 より良く死ぬために、より良く生きる。そんな振り切ったテーマを掲げた「終活」コメディー。NHK総合のドラマ「ひとりでしにたい」(土曜午後10時、全6回)で綾瀬はるかが、人生に四苦八苦する独身女性を演じる。「笑えて、ちょっと前向きになれて。そういうほわっとする、心が温かくなるようなドラマになっていると思います」とほほ笑む。
原作はカレー沢薫の漫画。美術館の学芸員として働く山口鳴海(綾瀬)はアイドルの推し活に、飼い猫の世話にと、独身生活を満喫していた。だが、伯母の孤独死をきっかけに自身の生き方を見詰め直す。「誰しもが死に向かっていくので不安になるという共通部分もあるし、勉強になることもすごく多かった」
焦って急に婚活を始めたものの、すぐ壁にぶち当たり、年下の同僚からは「昭和の発想ですよね?」と一笑に付され…。綾瀬は「30代後半の女性の不安になる心情だったり、自分はこう思ってるけど、世間はそうじゃないんだな、みたいなことを悩み出したりとか。鳴海みたいな気持ちになったこと、すごくあります」と共感を持って演じた。
自身も同じ30代の頃に、死というものを意識し始めたという。身近な人を失ったことがきっかけだった。「本当に人って死んじゃうんだって、ドンって感じました。人生って、自分で決めているようである程度決まってるのかな、とか」
今年でデビュー25周年。演技への情熱は持ち続けているが、「演技って生ものだから正解もないし、そのとき生まれるものが正解なんだろうと。『完璧主義者』から、揺らぎもすてきみたいな。何かそういう感覚はあるかもしれません」と年を重ねて成熟した自身の変化を語った。