夫婦でバンライフ【⑪】 学びを深める旅へ コロナ下、配慮の徹底忘れず

  • 芸BS
  • 2025年6月19日
環境再生ワークショップの様子。乾燥させた葉や竹炭などを埋め、土中環境を整える

 2年の定住生活でようやく体も回復し始め、私たちはバンライフを再開。新たな相棒は部品とパーツのセットを使って車内を整えた中古のバンで、荷物はより最小限に。この2年で、自分たちの暮らしに真に必要なものを選び取る力が身に付いたおかげか、旅支度はとてもスムーズでした。

 2020年春、慣れ親しんだ九州へ出発しました。この頃、世界は新型コロナウイルス感染症に揺らぎ始め、国内で移動制限はまだありませんでしたが、車を走らせると、ウイルスに対する意識などの地域差に驚くことも。感染対策を徹底し、地域の状況に応じて柔軟に対応しました。

 時には旅を中止して自宅に戻る決断もしました。旅人のマナーとしては、訪れた先の環境や地域の人々の思いを理解して尊重するという配慮が当然のことと思いますが、正解のないコロナ下では、この姿勢が何よりも大切だったと感じます。

 また、この旅から日々移動する形ではなく、友人宅や宿泊施設などに滞在する期間も入れるスタイルに変化。体への負担が軽減された上、地元の方と畑や果樹園で季節の実りを楽しむ時間もつくることができ、縁の深まりを実感しました。

 そして、畑作りを究めるためワークショップにも参加。山梨県北杜市に滞在した際は、土の中の空気や水の通り道を整え、環境を再生させる方法を学びました。

 全国を転々とし、さまざまな発見をもらうバンライフも魅力的ですが、何か追求したいテーマを持ち、巡る場所を絞りつつ学びを深める旅もお薦めです。

 (ライター・米田佐和子、写真・米田将史)

 環境再生ワークショップの様子。乾燥させた葉や竹炭などを埋め、土中環境を整える

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