国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の主人公、まる子を演じてきた声優のTARAKOさんが4日死去した。前日にはドラゴンボールを手掛けた漫画家鳥山明さんの訃報に接し、ファンはいまだ心が追い付いていかない。
「記憶力、観察力、構成力、そして何より大切なセンスが素晴らしいのだと思います。少年誌などでありがちなハッタリだけで描いているボクにはちょっとマネできない芸当です」。鳥山さんが、ちびまる子の原作者さくらももこさん(2018年に死去)の漫画家生活10周年記念の画集に寄せた直筆メッセージ。アニメの方も高く評価していたとみられ、中学の時から鳥山さんに憧れていたさくらさんは「以前、私のキャラクターが鳥山先生のキャラクターとTVの画面で共演させていただいた時、感激のあまり涙が出てしまいました」と明かした。
認め合う2人に続き、まる子のモデル・さくらさんに話し方までそっくりな唯一無二の声優も天へ旅立った。ハラハラドキドキの冒険バトルと愉快な日常絵日記風作品は対照的なのにどこか似た親しみやすさがあった。いずれも不世出の才能だがファンが忘れない限り、その存在は身近であり続ける。世界レベルとなったアニメ界への功績も色あせない。(輝)