白老町議会は2月6日、町議会議員選挙を町長選挙と同じ日程にするため、町議会の自主解散を求めた議員提出の決議案を、否決した。全14議員で採決し、10対4の賛成多数となったが、決議案可決に必要な12人には達しなかった。
地方議会の自主解散は、特例法で全議員の4分の3以上が出席し、その5分の4以上の賛成が必要と定められている。
賛成派は投票者の利便性や投票率向上、経費節減の実現を訴え、反対派は準備期間が短く新人候補に不利であることや法令に基づく議会の議論が不足していると主張。意見は真っ向から対立した。
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町議選と町長選は、春の統一地方選に実施されてきたが、2003年に坂下利明町長(当時)が町議会からの不信任決議を受け、議会を解散して辞職して以降、10、11月に同日程で行われてきた経緯がある。
しかし、今年は前町長の戸田安彦氏(54)が、道議選に出馬するため任期中に辞任し、町長選が2月28日告示、3月5日投開票に決まった。町議選とは7カ月間ほどずれることになり、1月10日に町民が同日選の実現を求める陳情を議会に出した。
陳情は、同日程の選挙を実現すれば、町民が二度にわたり投票に出向く負担が軽減され、投開票事務の経費なども節約できる―と訴える内容。同日程を実現するため、町議会には自主解散を求めた。
町も選挙費用について、別日程が計4016万円、同日程が計2819万円で、同日選にすれば1197万円を削減できると試算した。
1月25日に陳情を全会一致で採択し、賛意を示す町議10人が自主解散に関する決議案を提出。2月6日の本会議で採決したが、無記名投票の結果は決議案否決。別日程で行うことが決まった。
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3月の町長選は新人同士の一騎打ちで大塩英男町長(51)が誕生した。2011年10月以来、約12年ぶりの選挙戦だったが、投票率は57・81%と前回を16・13ポイントも下回り、過去最低を更新した。
一方、10月の町議選は、投票率が前回比0・65ポイント増の58・32%とわずかながら上昇。定数14を現職10人、元職1人、新人5人の計16人で争った結果、元職がトップ当選を果たし、新人5人も全員当選したが、現職2人が議席を失った。
今年は同日選が実現しなかったが、町民の約半数が65歳以上の高齢者である現状もあり、負担軽減が見込まれる同日選は引き続き町民の関心事。議員定数や報酬の見直しなどを含め、今後も活発な議論が期待されている。
(半澤孝平)