昨年9月、自民党で現職6期の遠藤連道議(69)が引退を表明し、真っ先に立候補する意思を示した。「遠藤道議の引退を知り、チャレンジしたい気持ちが強くなった」と決意した理由を振り返る。当時、党内では他にも立候補を模索する動きがあったが、同党苫小牧支部で協議した結果、遠藤氏の後継候補として公認された。
父は苫小牧市長1期、道議5期の実氏(故人)。1991年に北海道大学水産学部を卒業後、市内の港湾企業に勤務していたが、「もっと人の役に立つ仕事をしたい」と2011年、市議選に出馬して初当選。保守系会派で3期務め、21年5月から今年3月まで議長も経験した。
鈴木直道知事について「与党会派の知事で選挙に強く、道民に認められている」と評価するが、市が誘致を進めるIR(カジノを含む統合型リゾート施設)については「北海道らしいIRを考える方針を示しているが、具体的に見えてこない」と指摘。「現場に入り、聞いてみたい」と思いを明かす。
道、市の共通課題に人口減少を挙げ、少子化対策は「簡単にはいかない。できるだけ人口の減少を抑えるよう、分析することが大事」との見方を示す。
観光振興やスポーツ大会の実現、企業誘致などの政策を掲げ、人口減による経済や行政など多方面への悪影響を抑制しようと考える。
選挙戦では、苫小牧の経済や環境、地域を守る意味を込め、キャッチフレーズに「苫守宣誓(せんしゅせんせい)」と銘打った。IRの誘致推進やスポーツツーリズムの普及などで、経済の活性化を進める。樽前ガローや地域の商業者が開発するクラフトビールなど、苫小牧にある資源を生かして交流人口の増加を目指す。
道が掲げる「ゼロカーボン北海道」では、苫小牧や周辺で進められている二酸化炭素(CO2)を回収、貯留、有効利用する「CCUS」の取り組みを推進し、CO2排出の徹底的削減を図る。脱炭素社会の実現に向けて「水素ステーションの整備など、民間の環境整備がさらに必要となる」と主張する。
さらに市や道との調整など「道議の仕事」に意欲を見せ、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域経済を立て直し、企業誘致やIRを推進し、苫小牧に人の流れを取り戻したい」と力を込める。