鵡川高校の生徒たちが、むかわ町の子育て応援事業「むかこみゅ」の「地域先生」として、地元小学生らをサポートしている。主に家庭科部や恐竜研究同好会の生徒が、お菓子作りや化石発掘などそれぞれの分野で地域の子育て支援に携わる。子育てに力を注ぐ町の独自の取り組みとして、期待を集めている。
地域先生は、小学生の放課後子ども教室や幼児から中学生を対象にした土曜の「エンジョイサタデー」の中で、知識や技術を子どもに伝えたり、一緒に遊んだりして成長を支える。居住地は問わず高校生以上が対象で、同校は昨年度から生徒を派遣して事業に協力している。
18日に同校で行われたケーキ作り教室には、家庭科部の8人が参加。横で手を取りながら生クリームの泡立てを教えたり、果物の切り方を一緒に学んだり、クイズを出すなどして楽しい時間を過ごした。
鵡川中央小4年の佐々木悠人君(10)は「親切に、お手伝いをしてくれて楽しくできた」と笑顔。同部3年の今井望森部長(17)は「最初は緊張してなかなか話ができないけれど、時間がたつにつれて子どもから積極的に話し掛けてくれ、一生懸命頑張ってくれるのでうれしい。この時間だけでも成長を感じることができる」と優しいまなざしを向ける。
町の子育て応援事業を担当する放課後子ども教室コーディネーターの三上誉人さん(34)は、高校生の地域先生について「開かれた学校として地域に寄り添い、歩み寄ってくれた。最高ですね」と歓迎する。地域と子どもをつなぐパイプ役として「学校教育ではできない子育ての環境づくりを強みにしてきたい。むかわ町の子育て応援事業が他にはないモデルになれば」と希望を語る。