「主権者としての自覚を持つと、選挙が違って見えてくると思う」―。苫小牧市選挙管理委員会の小松靖孝委員長(70)は力を込める。衆院選で貴重な一票を投じるよう啓発。「有権者は言い方を換えれば主権者。私たち一人一人が国をつくる。その手段が選挙」とアピールする。
法華寺(苫小牧市沼ノ端中央)の3代目住職。地域は植苗、勇払を含めて昔から、工業地帯の拡張や公害問題、航空機騒音、ごみ焼却炉の建設など、何かと行政との接点があり、「父の代からまちづくり、ひいては選挙に、深い関心と縁があった。選挙は考えるまでもなく、身近なものだった」と振り返る。選挙に携わることは、地域やそこで住む人に、目を向けることと、実感してきた。
選挙になるたびに「まちの雰囲気が熱くなる」と肌で感じ、自身も特定の候補を熱心に応援してきた。2011年に選管委員、20年に同委員長になり、中立を保つため応援に関わらなくなった。自然と選挙現場の熱量からも遠ざかり、「投票率の低迷に、一番頭を悩ませている」と歯がゆい思いを抱いている。
一方、選管委員として、改めて実感するのは「一票の重み」。開票では職員総出で一票ずつ確認し、正確に仕分けする作業などを目の当たりにする。「単純作業をチームワークでこなす。間違いは許されず本当に大変」。そんな一票に「自分のものとして、しっかり意識し、投じてくれたら」と願う。(金子勝俊)
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