今春創部した駒大苫小牧高女子硬式野球部は25日、北広島市緑葉公園野球場で女子カテゴリーの2チームとの練習試合に臨んだ。札幌新陽高に8―5、札幌ホーネッツに2―1と勝利した。1年生だけのチームが約3カ月間にわたる練習の成果を存分に発揮した。茶木圭介監督は「上出来の結果。これまでの成長を強く感じた」と価値ある2勝の手応えを受け止めていた。
駒大苫女子硬式野球部は、今月4日から江別市などで開かれた男子の中学硬式野球チーム主体のポニーベースボール協会北海道連盟主催・春季リーグに出場した。同リーグ加盟の苫小牧中央ポニーリーグなどのほか、女子の札幌新陽やホーネッツも含む6チームによるリーグ戦を、19日まで展開した。
結果は札幌新陽高に0―5、ホーネッツに6―7。苫小牧中央ポニーリーグに11―1で勝利したものの、リーグ戦は1勝4敗に終わった。
その後は練習を重ね、札幌新陽と札幌ホーネッツとの再戦機会に臨んだ。試合は7イニング制で行われ、第1試合は、1、2年生で構成した札幌新陽と乱打戦を展開した。失点はあったものの、3番・三塁手の笹原すずを皮切りに7番・投手の小笠原星、1番・右翼手の金田涼々が要所で二塁打した。茶木監督は「全体的に当たっていたと思う」と評価する。
新陽高3年生と社会人らで編成したホーネッツとの第2試合では、2―1のサヨナラ勝ち。七回2死満塁で1番・三塁手の八木虹が殊勲打。
先発右腕・柴田涼は完投した。被安打5、1失点の粘投で勝利を呼び込んだ。それでも、一回は先頭打者に安打され、二回には四球と暴投でピンチを招いた場面を振り返り、「立ち上がりが良くなかった」と勝利投手はきっちり反省した。
走者を背負う状況の投球を課題としてきたが、この日は落ち着いていた。柴田は「ストレートの制球と変化球がうまく決まった。今後も負けない投手になれるように日々成長していきたい」と力強く語った。
2試合を終えてから茶木監督は「きょうは100点満点」とたたえた。新陽高戦での5失点に触れ、「最少失点で抑えられたらもっと良かった。ミスをなくすことが次の目標」といっそうの向上に期待する。
創部以来、主将は練習日ごとの交代としていたが、今月初旬に初代として内野手の藤井華子が就任。藤井は今回の練習試合について「一歩成長できた」と達成感を表した半面、「守備のミスがあったし、打撃でも後ろにつなげなかった」と反省点も挙げていた。
夏に行われてきた全国高校女子硬式野球選手権大会(兵庫県丹波市)は今年、新型コロナウイルスの影響で中止になったが、ここにきて10月に代替大会が開かれる可能性が浮上。開催されれば駒大苫は予選を経ずに本大会出場が可能となる見通しで、茶木監督は「このチームにもチャンスはあると思う。出られたときには日本一を取りにいく」ときっぱり。藤井も「1期生から優勝を目指す。そこからの3連覇する気持ちで臨みたい」。メンバーの大きい意気込みを代弁した。