夏季北海道高校野球大会南北海道大会室蘭支部大会が26日まで、とましんスタジアム=苫小牧=で開かれた。新型コロナウイルスの影響で中止になった夏の甲子園と地方大会の代替大会。胆振、日高の21校19チームが出場して札幌開催の南大会(8月3日開幕)切符を懸け、3ブロックに分かれたトーナメント戦を繰り広げた。苫小牧中央、鵡川、駒大苫小牧が支部代表の座をつかんだ熱戦を振り返る。
(北畠授、石井翔太)
苫中央エース根本 計19回無失点
Aブロックは、2019年春の道大会で準優勝した苫小牧工業、秋の道大会8強の北海道栄など強豪が居並ぶ中、プロ注目のエース左腕根本悠楓(3年)を擁する苫小牧中央がノーシードから快進撃した。
24日の2回戦で第1シードの道栄に5―0で快勝。先発した根本が5安打に抑えて完封し、中1日で臨んだ26日の苫工との代表決定戦でも目を見張る投球を見せた。2安打14奪三振で再び完封勝利。緩急自在に3試合連続の計19回を無失点とする抜群の安定感が光った。
打線は代表決定戦で先制の2点適時打を放った主砲館野清陽をはじめ、3番の宮野倖太、2番の主将高橋れんら3年生上位にパンチ力があった。高橋は「根本が頑張っている分、何とか後押ししたかった」と語った。
苫工は1、2回戦でそれぞれ2桁安打の9得点でチーム打率3割4分6厘と打線が好調だったが、大一番で根本攻略はならなかった。道栄は力投したエース印南伊吹(3年)ら投手陣を打線で援護できなかった。
鵡川 シード校の貫禄 結束強固
Bブロックでは、昨年秋支部代表の第1シード鵡川が順当に勝ち上がった。初陣の2回戦で室蘭工業に9―0の七回コールド勝ち。浦河との代表決定戦では序盤先行から5―0で押し切った。
特に浦河戦では、阿部柊希主将(3年)、西村天辰(同)、佐藤翼(同)両副主将が三本柱になり、鬼海将一監督は「いい声が出ていたし、頼もしく見えた」とキャプテンシーを評価。2戦連続の零封勝ちは、試合を重ねて強固になった結束力が可能にさせた。
1年時から実戦経験豊富な最上級生がそろった浦河、2年生以下の若いチームだった静内の両日高勢も奮闘した。
駒大苫 バッテリーがチームけん引
Cブロック代表決定戦は、昨年秋の支部予選でブロック準優勝で今大会の第2シード同士となった駒大苫小牧と大谷室蘭が激突した。2連投した駒大苫のエース北嶋洸太(3年)が、140キロ台後半の直球や切れ味鋭い変化球を武器に相手打線を手玉に取った。「自然と声が出た」と要所で雄たけびを上げる闘志あふれる投球で2安打14奪三振の完封劇だった。
打撃では捕手兒島健介(3年)が2戦連続で適時打を放つなど勝負強さを見せた。
1回戦で室蘭栄と激突した苫小牧東は、五回に主砲吉田怜央(3年)の柵越え本塁打で一時逆転したが、八回に大量失点して初戦突破はかなわなかった。それでも會田龍永主将(同)は「甲子園がなくなって最初は落ち込んだが、代替大会に向けてチーム一丸になって戦えた」と胸を張った。