夏季北海道高校野球大会南北海道大会室蘭支部大会最終日は26日、とましんスタジアム=苫小牧=で各ブロックトーナメントの代表決定戦を行った。Aブロックは苫小牧中央が3―0で苫小牧工業に勝利。Bブロックでは、鵡川が5―0で浦河に快勝した。シード校対決となったCブロックは、駒大苫小牧が2―0で大谷室蘭に競り勝った。勝利した3校は8月3日に札幌円山球場で開幕する南北海道大会に駒を進める。新型コロナウイルスによる夏の甲子園と関連地方大会中止を受けた北海道高校野球連盟独自主催の今大会は、18日に開幕した。胆振、日高の21校19チームが出場し、土曜、日曜、祝日を利用した6日間で3ブロックに分かれた熱戦を繰り広げた。
苫中央接戦制す 主戦の根本2安打完封
【Aブロック】
▽代表決定戦
苫小牧工業
000000000=0
00201000X=3
苫小牧中央
(工)鎌田、岩本、鎌田、福澤、三上―波多
(中)根本―笹原
(三)北村(中)
(二)宮野(中)
苫中央が接戦を制した。三回に館野の2点適時打で先制すると、五回には暴投の間に追加点を挙げた。主戦根本が2安打14奪三振で完封。苫工は投手陣が粘ったものの、打線が援護できなかった。
苫小牧工業 打 安点
(8)小田島 4 00
(7)馬場 4 00
(3)93畠山 2 10
(6)加藤 2 00
(4)土居 2 00
(9)19岩本 3 00
1三上 0 00
(2)波多 3 00
(5)長舩 3 10
(1)31鎌田 2 00
19福澤 0 00
H小畑 1 00
2620
振 球犠盗残失
1421020
投手 回 安 責
鎌田 22/3 4 2
岩本 11/3 3 1
鎌田 11/3 2 0
福澤 2 0 0
三上 02/3 2 0
苫小牧中央 打 安 点
(4)小田 5 1 0
(3)高橋 3 1 0
(8)宮野 4 2 0
(9)館野 4 1 2
(1)根本 3 2 0
(2)笹原 3 1 0
(7)寺口 2 0 0
H7嵯城 1 0 0
(6)北村 3 2 0
(5)伊勢 3 1 0
31112
振 球犠盗残失
2421100
投手 回 安 責
根本 9 2 0
苫工打線ねじ伏せる―苫中央・根本
苫中央の屋台骨を支える根本(3年)が完封で代表決定戦を締めくくった。14奪三振で苫工打線をねじ伏せた。圧巻の投球後に「変化球とストレートのどちらも決まった」と手応えを語った。
一回に三者を凡退させる立ち上がりを見せ、二回は死球、三回は内野安打で先頭出塁を許したものの苫工打線の後続を抑えた。その後も凡打の山を築かせて九回は3人を三振に仕留めた。
24日にも完封した道栄戦から中1日の登板となった。根本は「2回戦の試合では球が浮いた感覚があったので、低めに投げることを意識した」と振り返る。「体は重かったけれど、気持ちで乗り切った」と語った。
味方の守備にも助けられた完投とわきまえる。被安打2、与えた四死球2としたが、三塁を一度も踏ませることなく試合を終えられた。根本は「2本ヒットを打たれたけれど、どちらもダブルプレーにしてくれた。守備の安心感がある」と感謝する。
次は南北海道大会挑戦。根本は「今回は絶対に行きたいという強い思いがあった。出場を決められてよかった」。
【Bブロック】
鵡川が円山切符つかむ 浦河、好機にあと一本出ず
▽代表決定戦
浦 河
00000000 =0
30110000X=5
鵡 川
(浦)山田、冨菜―手塚
(鵡)稲葉、西川―佐々木隼
鵡川が昨年秋に続く円山切符をつかんだ。一回に佐々木隼の適時打などで3点を先取。味方の援護を受けた先発の稲葉は七回途中まで無失点に抑え継投の西川とで零封。浦河は7安打を放つも、好機であと一本が出なかった。
浦河 打 安点
(9)下向 4 00
(8)山岸達 4 10
(1)6山田 2 00
(6)1冨菜 4 10
(3)遠山 4 20
(5)中野 4 10
(4)山岸尚 4 00
(2)手塚 4 00
(7)小山 4 20
3470
振球犠盗残 失
6300102
投手 回 安 責
山田 02/3 3 3
冨菜 71/3 4 1
鵡川 打 安点
(8)西村 4 10
(4)阿部 3 11
(5)石塚 4 10
(2)佐々木隼 4 22
(1)7稲葉 3 00
(6)山崎 4 02
(3)門脇 2 10
(7)9佐々木駿 2 00
(9)土田 2 10
H三好 1 00
9山本 0 00
1西川 0 00
2975
振球犠盗残失
233262
投手 回 安 責
稲葉 72/3 6 0
西川 11/3 1 0
25日
▽2回戦
浦 河
01420004=11
00000100=1
静 内
(八回コールド)
(浦)山田、冨菜、山岸尚―手塚
(静)山田、桜井、吉原―高橋大、角
(二)手塚、山岸達(浦)
浦 河
30710100
打 安振 球 失
2969 1 3
静 内
浦河が2桁得点で初戦突破。1点リードの三回に山田の2点適時打などで4得点し試合を優位に進めると、八回には5安打を集め再び大量得点した。静内は3失策するなど守備のミスが響いた。
攻守にチームけん引―鵡川・佐々木隼攻
鵡川の4番で捕手の佐々木隼(3年)が、大一番で躍動した。苫小牧啓北中出身。一回の先制打を含む2安打2打点。守備でもエース稲葉(同)、2年生左腕西川を頼もしくリードした。
隼斗に回せ―。仲間から寄せられる思いが自身のパワーになった。適時打を放った2打席はいずれも甘く入った変化球を見逃さず捉えた。「みんながつないでくれた。絶対に打ってやろうという気持ちだった」と振り返る。
マスクをかぶって稲葉をリードする際、浦河打線を「初球から積極的に振ってくる」とみて、巧みにかわし続けた。時折制球が乱れて走者をためることもあったが、そのたびにマウンドへ間を取りに行き、「一人になるな。野手を信じて投げ込め」と鼓舞。ピンチを無失点で切り抜けた。
甲子園は中止でも、自身たちの代にとって集大成の夏に変わりはない。「親やむかわ町民など、3年間を支えてくれたすべての人に感謝の気持ちを伝える野球」を南大会でも披露する考えだ。目標はもちろん「優勝」と言い、「きょうのようにチームの勝利のためにプレーしたい」。
【Cブロック】
駒大苫 エースの北嶋快投 小差で試合制し支部予選突破
▽代表決定戦
駒大苫小牧
000110000=2
000000000=0
大谷室蘭
(駒)北嶋―兒島
(大)吉安―秋山
(二)柄目(駒)石井(大)
2戦連続で先発した駒大苫の主戦北嶋が2安打14奪三振と快投した。打線は四回に兒島、五回に柄目がそれぞれ適時打を放った。大谷室蘭は四回以降の毎回三者凡退にとどまり、反撃を欠いた。
駒大苫小牧 打 安点
(4)中村 4 00
(3)柄目 5 11
(6)藤田 4 10
(9)藤原 2 10
(5)人見 3 00
(2)兒島 4 21
(1)北嶋 4 20
(7)山下 3 00
(8)笠原 4 10
3382
振球犠盗残 失
6330100
投手 回 安 責
北嶋 9 2 0
大谷室蘭 打 安点
(8)中川 4 00
(2)秋山 2 00
(3)石井 3 10
(5)守谷 3 00
(7)中西 3 00
(6)西舘 2 00
H坂本 1 00
4立野 0 00
(9)小森 3 00
(1)吉安 2 00
H和田 1 00
(4)6川端 3 10
2720
振 球犠盗残失
1410012
投手 回 安 責
吉安 9 8 2
25日
▽2回戦
室蘭清水丘
0000000 =0
4100002x=7
大谷室蘭
(七回コールド)
(清)久保―山田
(大)小森―秋山
(三)守谷(大)
(二)秋山、石井、長谷川(大)
室蘭清水丘
255 712
打 安 振球失
2912420
大谷室蘭
「南大会決まり一安心」―駒大苫・藤原
「まずは南大会出場が決まって一安心した」―。試合後、駒大苫主将の右翼手、藤原(3年)は表情を和らげた。昨年秋の支部ブロック決勝では、鵡川に延長十回の接戦の末1―2で敗れた。戦いの出発点となる室蘭支部を突破する難しさを改めて味わっていたからこそ、小差のゲームを物にしたチームの喜びはひとしおだった。
序盤は大谷室蘭左腕吉安の低めを突いてくる投球に翻弄(ほんろう)された。中盤回からは「ボール球を見極められたのが良かった」と藤原は語った。先頭打者が出塁に成功した四、五回に適時打で加点し、2連投で代表決定戦に臨んでいたエース北嶋(3年)を楽にさせ、14奪三振完封の好投を支えるチームワークとなった。
南北海道大会は来週、3日の開幕戦で札幌新川との激突が決まった。勝ち上がれば苫中央や昨年秋の全道大会で準優勝した札幌日大、北照、札幌国際情報といった強豪が待ち受ける。攻略し頂点を目指す戦いは続く。
藤原は「勝ってかぶとの緒を締めて、南大会に向かって練習から頑張りたい」と主将らしく話した。