白内障の手術を受けた家人が目撃して来た苫小牧市内の眼科の待合室の光景。スマートフォン(スマホ)やパソコンの長時間使用による視力低下に注意を呼び掛けるポスター近くの椅子に、母親に引率された小中学生や高校生が座っているそうだ。スマホ画面に熱中しながら。
スマホが発売されて間もなく話題になったのは、レストランやラーメン店などで、一緒に訪れた友人や家族らと、特に会話もせず、スマホとはしの操作だけに熱中するスマホ族の不気味さだ。もう十数年も前のことだ。「食事は会話を楽しみながら」と、道徳の教科書のようなことを言うつもりはないが、近くのラーメン店をのぞいた時、満席の店内の静寂に驚いた。ほとんどのテーブルの上にスマホが置かれ、はしを使っていない左手にはスマホが握られていた。家人のスマホで調べると、この静寂の名が出てきた。料理の到着時にまず写真を撮影するのを含めて「スマホ飯」というのだとか。
自分が携帯電話に求めたのは「軽くて小さな公衆電話」機能。ゲームや選挙情報の拡散など通信以外の機能は求めていない。買い物代金の決済など、気になる機能はあるが慎重に見定めたい。ガラ系派の小さな決意。スマホの不気味な急成長への恐怖が世界に広がっている。(水)