支笏湖のヒメマス調査、地域づくりに活用へ 北大水産学部が研究

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  • 2020年6月23日
支笏湖での生態系調査に取り組んだ東条助教(写真中央)

  北海道大学水産学部の研究チームが千歳市の支笏湖地域でヒメマスをはじめとする生物の生態調査を実施した。「持続可能な開発と保全」がコンセプトで、支笏湖漁業協同組合など地元関係者の協力も得ながらヒメマスの栄養価に関する研究や生態、餌となるプランクトンも調べ、成果を地域住民と共有して地域振興に生かす考えだ。

   調査は、水産開発学を専門とする東条斉興助教(47)と大学院生2人が今月15日から5日間の日程で実施。支笏湖の各エリアでヒメマスの餌となるプランクトンなどを採取した。各種サンプルも確保しており、自然環境など資源を生かした地域づくりや教育への活用を目指す。

   同チームによると、他分野の研究者と進めるヒメマスの味や栄養素、鮮度保持に関する研究では、他の魚よりも甘み成分が多いことが判明。支笏湖漁協の佐藤晴一事務局長は「学術的な成果だけでなく、地域にとっても大きな力になる」と期待する。

   滞在中は自然公園財団支笏湖支部や環境省、地元関係者との意見交換も実施。研究は今後も継続する方針で、東条助教は「学生の教育プログラム構築も目指しながら地域の皆さんと常に成果を共有し、地域のブランド化を実現したい」と話している。

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