運営上の問題点確認 新型コロナ対策加え5月改訂 避難所マニュアルを検証 道と恵庭市

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  • 2020年6月23日
段ボールで仕切った家族向け避難スペースで解説する根本教授(中央)

  道と恵庭市は21日、恵庭柏陽中学校を会場に新型コロナウイルス感染症対策を盛り込み5月に改訂した「北海道版避難所マニュアル」を検証した。日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授の指導・監修の下、マニュアルに沿って避難所を設営し運営上の問題を探った。根本教授は感染防止と保温効果がある段ボールベッドやパーティション(仕切り板)備蓄の必要性を説いた。

   検証では、受け付け時の検温で発熱症状の避難者をメインの体育館と別棟の空き教室に誘導。各避難エリアでは、避難者同士の距離を2メートル取り、段ボールベッドの向きが隣人と頭が同じにならないようにしながら配置。四隅の窓に網戸を設け、常時換気するなどの感染リスク低減を図った。

   体調不良者と濃厚接触者専用の部屋には、授業再開時の感染リスクを考慮し特別教室や空き教室を利用した。

   根本教授は「ほこりは床上20センチまで舞い上がる。高さが30センチある段ボールベッドはリスク低減に有効。保温効果もある」と述べた。収容能力や避難者の状況に即した運営と夜間、荒天時の検証の必要性を強調。「コロナ対策では『3密』の回避、換気、動線確保のため、収容人数は限られ減少する」とし、「新たな避難所の開設が必要。人材と備品の確保が急務」と指摘した。

   さらにハザードマップに照らした在宅避難の必要性も念頭に、「断水を想定し7日分の食料備蓄が必要」との考えを示した。

   道危機対策局危機対策課の高見里佳防災教育担当課長は「検証結果を今後の避難所運営に反映させたい」と語った。この日の映像、資料をまとめ、7月中旬に道内市町村に情報提供する。

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