白老町の戸田安彦町長は12日に定例記者会見を開き、新型コロナウイルスの影響で開業が延期されているアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)について、「万全な感染防止策で安全安心を確保した上で7月中にはオープンしてもらいたい」との考えを示した。
ウポポイの開業は感染拡大の影響で当初の4月24日が5月29日に先送りされ、さらに再延期となったが、オープン時期はまだはっきりとしていない。開業の遅れに伴い、町や道が駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)で計画していたロングランイベントや、観光客向け町内巡回バスの運行も延期されたままだ。
国の緊急事態宣言が5月に全面解除され、感染拡大が落ち着きを見せる中、戸田町長は「ウポポイでは入館時の体温測定や各施設の消毒、人同士の距離確保など万全な感染防止策が講じられており、町民の祝福を受けて一日も早く開業することを期待している」と述べた。
また、町が主催し9日から14日までの日程で行われている町民内覧会に関し、「6日間で計1600人が参加を予定。参加者がウポポイに愛着を持ち、アンバサダー(大使)になった気持ちで、訪れる方々をおもてなしするきっかけになれば」と期待した。