千歳市の山口幸太郎市長は9日の市議会定例会の中で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う新千歳空港への影響について、「国内線、国際線とも就航便が激減し、道内7空港を運営する北海道エアポート(HAP)の影響は甚大。『当初5カ年の事業計画を見直し、秋ごろまでに見直し後の計画を策定する』と同社から説明を受けた」と述べた。
松倉美加氏(自民党)の一般質問への答弁。
市長は、新千歳ターミナルビルに入居する194店舗の半数が一時休業や営業時間を短縮したことに言及。「9000人弱が働く空港内施設の事業運営や雇用への影響は計り知れない」と述べた。その上で「新型コロナを収束させ、HAPの安定した空港運営事業回復に向け、国や道と連携していく」との考えを示した。
市の財政への影響では、全庁的点検で予算の計画変更の集約に着手し、今後、減収補填(ほてん)債の活用や、事業の中止や変更による減額補正などで新たな事業に必要な財源に活用することを強調。今後に備え、財政調整基金は決算余剰金の積立で5億3000万円を確保するとしたほか、「他基金の組み替えやふるさと納税、国の交付金を活用し財源の均衡を維持する」とした。
8日現在、市内企業の都市計画税や法人市民税、固定資産税など2020年度市税について、「延べ17件、3億5000万円の徴収猶予を決定。今後も減収額は増える」との見通しを語った。
医療体制では5日現在、新型コロナ感染者は104人、死者が2人、77人が治療を終えたことを明らかにした。市長は、道の要請を受け、市内の医療機関(非公表)が新型コロナ感染の軽症者を受け入れる20床程度の専用病床を開設することに触れ、「感染防止クリーンベッドや感染対策排気ユニット、人工呼吸器を備えている」と説明した。