田植えの季節を迎え、恵庭市漁太の数井農場では、水稲の疎植栽培と位置情報測位システム(RTK)を導入し、効率的な農作業を行っている。
疎植は、通常14センチ前後の水稲成苗ポットの植栽密度を15センチ以上広げる栽培法。労力と稲苗の削減、育苗ハウスの効率的運用ができ、コスト削減のメリットが大きいという。
今年、同農場は「ななつぼし」と「きらら397」をそれぞれ5・8ヘクタール作付けする。農場主の数井崇弘さん(46)はこれまで4年間の試行で疎植する品種を「ななつぼし」に絞った。株間を20センチにした。
今年は4月20日に種まき、5月15日に代かきを行った。春先から天候がよく生育、作業とも例年並みという。数井さんは「しっかりした苗に育った。10アール当たりの収量は昨年並みの510キロは欲しい」と期待を込める。
ここ数日は低温が続く。数井さんは「しっかり水管理しなければ」と気を引き締め、「(田植えを)27日までに終えたい」と話す。
昨年からスマートフォンでリアルタイムで水田の水位と水温データを管理し、水深を遠隔操作する国の「水田センサー」事業やRTKを農作業に取り入れている。運転席でタブレット画面が示すRTK情報の矢印に従って田植え機を操作する数井さんは「水が深くても誤差なく苗の植え付けができる」と満足そうに話した。