白老町は、2020年度スタートの第6次総合計画案を取りまとめ、22日の計画策定委員会(委員長・竹田敏雄副町長)で最終確認した。27年度までの8年を期間としたまちづくりの最上位計画で、生活環境や経済産業など5分野の施策の方向性を示したほか、持続可能なまちに向けた「人口減少抑制」と「地域経済活性化」を重点プロジェクトに掲げた。町は町議会定例会6月会議に計画案を示し、議決を得れば成案化する。
総合計画は、まちの将来像と目標人口、施策の体系を定めた「基本構想」、分野別施策の目標や基本事業を示した「基本計画」で構成。それに基づく3年間の「実施計画」を作り、事業を具体化する。
第6次では、基本目標を「共生共創の実現」「幸感力の醸成」「まちの魅力向上」、まちの将来像を「共に築く希望の未来 しあわせ感じる元気まち」と定めた。計画最終年の27年の目標人口は、人口減少を前提に現在より3000人ほど少ない1万3815人と設定。その人口規模を想定し、▽生活環境▽健康福祉▽教育文化▽経済産業▽地域自治―の5分野を基本方針にまちづくりを進めるとした。
まちの将来像を実現させるための基本計画では、5分野31施策を設定。生活環境分野で防災強化や上水道の安定供給、健康福祉分野で介護予防・健康づくり事業の推進、教育文化分野で学校教育・生涯学習機会の充実、経済産業分野で港湾機能の整備促進や魅力ある観光地形成、地域自治分野で町民参加・協働の推進――といった基本事業の方向性を示した。
基本計画には、「人口減少抑制」と「地域経済活性化」の二つの重点プロジェクトも設定。子育て支援強化、人材還流と白老暮らしの推進、地域産業の競争力強化、民族共生象徴空間(ウポポイ)を生かした観光振興と交流人口拡大―など八つの個別施策と主な事業を示した。
重点プロジェクトの計画最終年の目標値も定めた。人口減少抑制プロジェクトでは、19年の町民意識調査で54・3%だった定住意向を70%へ上昇させ、年間の移住者数も19年の31人から40人へ引き上げるとした。また、地域経済活性化プロジェクトでは、19年に150万5000人だった年間観光入り込み客数について、計画最終年に350万人を目指すとした。
町は、町総合計画審議会(岡田路明会長)と計画策定委員会、町議会特別委員会の議論、パブリックコメント(意見公募)などを踏まえて計画案をまとめた。6月の町議会定例会に計画案を提出し議決を得れば、実施計画づくりに取り掛かる。
白老町総合計画の重点プロジ ェクトと主な施策
【人口減少抑制プロジェクト】
▽切れ目ない子育て支援の強化
・母子保健・福祉充実
・安心して学べる教育環境の充 実
▽スポーツを通した健康増進と 疾病予防推進
・スポーツ振興
・持続可能な町立病院の運営
▽人材還流と白老暮らしの推進
・移住・定住の促進
・特色ある学校づくり推進
▽安全で住みよい住環境の形成
・生活交通の拡充
・防災減災体制の強化
▽地域の絆づくり
・地域福祉の推進
・地域コミュニティーの活性化
【地域経済活性化プロジェクト】
▽地域産業の競争力強化
・産学連携の推進と投資意欲の 醸成
・商工業の活性化
▽安定した雇用の確保
・雇用機会の拡大と就業環境の 充実
・中小企業振興と創業支援
▽観光振興と交流人口の拡大
・魅力ある観光地の形成
・魅力ある地域資源の活用