アイヌ民族の伝説や地名紹介 仙台藩白老元陣屋資料館 「アヨロの大地」発行

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年5月11日

 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は、同町虎杖浜地区に残るアイヌ民族の伝説や地名を紹介した冊子「アヨロの大地」を発行した。

 資料館は、町民らに地元白老の歴史を知ってもらい、郷土愛を深めてもらおうと2016年度から「ふるさと再発見シーリズ」を発行。今回は18年度の「ポロト湖物語」に続く第4弾で、海岸や川にアヨロの名が残る虎杖浜地区に焦点を当てた。

 アヨロ海岸の一帯は、大昔から人々が生活を営み、アイヌ民族にとってもゆかりの深い場。明治以降、新潟県などから移住した漁業者らが本格的に開拓し、漁業のまちの礎を築いた。

 冊子では地域に残る「カムイミンタラ」(神々が遊ぶ庭)、「ヤウンクットマリ」(地元の人の船着き場)などアイヌ語地名を解説。地域の地名調査に携わったアイヌ語地名研究家で、北海道曹達(本社苫小牧市)の社長を務めた山田秀三氏(1899~1992年)も紹介している。

 また、あの世への入り口「アフンルパロ」、英雄神オキクルミの尻もち跡「オソロコツ」などアイヌ民族の伝説と、それにまつわる場について解説。約2000年前の続縄文時代のアヨロ遺跡で見つかった装身具など出土品も取り上げている。資料館は「郷土史への関心を高め、身近な学習ツールとして活用されれば」と言う。

 B5判13ページで2000部発行。資料館やJR白老駅などに置いている。

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