「まさか」と思っていた、最も良くない方向に事態が進む。道内の新型肺炎感染者が増え、鈴木知事は、全小中学校に休校を要請する方針を表明した。
組織には、構成する人の個性を超えてにじみ出てくる、判断や行動の特性がある気がする。新型肺炎の感染拡大をめぐる国や都道府県の動きを見て改めて思った。
加藤厚生労働相がきのう、新型コロナウイルス対策の基本方針を説明した。感染拡大の仕組みを解説する中で、クラスターという言葉を使って、意味の確認を報道陣に求められ、資料の未配布もあって少し時間がかかった。説明に手間取る説明会。こっけいな場面だった。NHKでは「感染者の集団」と説明していた。字数もほぼ変わらず、分かりやすい。分かりにくいカタカナ語を使うのは、ケアだデイサービスだと高齢者の福祉関連用語をカタカナの世界にした、厚生省時代からの伝統だ。
O(オー)157の食中毒が問題になった二十数年前、石狩南部で道庁の体質、特に説明意欲の欠陥を見せつけられた。分かりにくい広報に、いつも腹が立った。
新型肺炎は世界中に広がり、韓国やイタリアでも猛威を振るっている。影響は株価の下落、スポーツなど各種行事の日程変更などにも及び、きょうの朝刊には「安倍政権の運営に暗雲」の文字も。テレビやラジオでは緊急広報が始まった。改めて正しい知識を集め、理解して、冷静に行動を。(水)