新千歳空港保安委員会(委員長・山田修新千歳空港長)は13日、新千歳空港国内線ターミナル2階の制限区域内でテロなど空港への不法侵入者を想定した訓練を行った。千歳署やターミナルビル、航空会社など28機関から170人が参加。東京五輪・パラリンピックの開催を控え、空港はテロの標的になる恐れがあり、参加者は真剣な表情で訓練に臨んだ。
千歳署員が刃物を隠し持つ不審者に扮(ふん)し金属探知機が反応する中、保安検査員の制止を振り切って制限区域内に侵入。通報で駆け付けた署員に逮捕される―という想定。非常事態を受けて制限区域を閉鎖し、同委員会関係者が扮する旅客を航空会社職員が制限区域外に避難誘導するとともに、制限区域の安全を確認し運行を再開する手順も実践し確認した。
訓練後、山田空港長は的確な対応と連係に触れ、「空港管理者として心強い。発着回数の増加や東京五輪の競技の道内開催を控え、空港利用者の安全、安心確保のため、航空保安対策徹底に留意を」と講評。千歳署の三春陽平警備課長も「空港はテロの標的になる可能性がある。皆さんと連係しテロ防止と空港保安の安全を期したい」と呼び掛けた。
新千歳空港では、昨年7月24日に機内持ち込み制限品の登山用ガスボンベと多目的ナイフ1丁が保安検査で見落とされ、搭乗客が機内に持ち込み、検査場を一時閉鎖する事案が発生している。