公衆電話

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年2月13日

  9日に放送されたフジテレビ系(UHB)のアニメ「ちびまる子ちゃん」は、公衆電話で本当に3分間10円の通話が可能かを友達と確かめる話だった。時代設定は1970年代だが20年ほど前までは皆、出先からの電話用に10円玉やテレホンカードを常備しており、「懐かしい」などとSNS(インターネット交流サイト)で話題になった。

   急いでいる時に限って、誰かが使用している公衆電話。手持ちの硬貨を握りしめ、店や民家に駆け込み、固定電話を借りたこともあった。当時は見知らぬ人間の突然のお願いにも快く応じてくれる人が多く、シェアする心を学んだ。古き良き時代だ。

   NTTによると、公衆電話での通信回数は95年度をピークに減少傾向だが戸外での最低限の通信手段確保のため、市街地では500メートル、その他の地域は1キロ四方に1台設置を目安にしているという。実感よりも多い気はするが実際、自宅前にも電話ボックスがある。災害などの緊急時に真っ先に公衆電話を必要とするのは、携帯電話を持たない子どもや高齢者など社会的弱者。本紙エリアでも大きな交通事故や火災、地震が相次いでおり安全性、公共性を考えると古かろう悪かろうではない。特に子どもには意識的に公衆電話の使い方を伝えたい。NTT東日本は、生活圏での設置場所を調べられるサイトをインターネット上に開設している。ご参考までに。(輝)

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