千歳市は、新千歳空港をはじめ道内7空港の運営権一括民間委託(空港民営化)へ向けて北海道空港(HKK、札幌市)などに保有株式(1000株)を有償譲渡した収入約24億5000万円を活用するため、2020年度に独自の基金を新設する。基金の使途は空港関連などの6分野に特化し、同年度から事業化を検討する。
基金新設のため、関連条例の改正案を3月開会予定の市議会定例会に提出する方針。他の歳入と別に基金とすることで活用状況や残高を明確にし、6分野に関係しない事業への支出を避ける狙いもある。
今回の収入額の内訳はHKKから24億円、新千歳で国際貨物を取り扱う札幌エアカーゴターミナル(SIACT、千歳市)から3878万1500円、HKKからの収入を一時的に預けた北海道市町村備荒資金組合の配当金(利息)1057万9351円。株式はそれぞれ17年12月22日、20年1月7日付で譲渡した。
収入の活用策は▽空港の利用促進や機能拡充につながる空港・航空関連▽二次交通の強化や駅周辺のにぎわいを創出する公共交通・駅関連▽観光振興やスポーツ合宿誘致など観光関連▽中心市街地を活性化する商業関連▽ターミナルビル運営企業の北海道エアポート(HAP、千歳市)との連携▽人口増加につながるその他事業―の6種類。
事業計画は横田隆一副市長を座長とする庁内の「空港を核とした地域経済活性化戦略会議」で決める。空港・航空関連やHAPとの連携事業は今春に設立予定のHAPと市、経済団体などで構成する空港別協議会でも議論する見通し。
計画的な財源活用へ6種類の具体的な使用方針も定めた。備荒資金組合へ預けているHKKからの24億円を20年度中に新基金に積み立てることや市の発展につながる施策に充てることなど5項目を掲げた。