本番間近 稽古大詰め あす 千歳市民ミュージカル

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  • 2020年1月17日

 千歳市民ミュージカル「あやの見た空」(18日、北ガス文化ホール=千歳市民文化センター=)上演に向けた稽古が大詰めを迎えている。大正期の千歳村民による着陸場造成から新千歳空港開港までの歴史と人間模様が交差する戯曲。出演者の練習にも自然と力が入る。

 物語は架空の人物「田畑文(あや)」が主人公。大正期に千歳村の村民が総出で滑走路を造成して「北海1号機」を迎えた史実を盛り、太平洋戦争に続いて米軍が駐留する戦後の混乱期を経て、新千歳空港の開港までの千歳を描く。市井に生きる人々の人間模様と千歳と空の歴史を文の視点から、ダンスや歌を織り交ぜて表現する筋立てだ。実在の経済人をモデルにした人物も登場する。

 同実行委員会の主催で、総舞台監督・演出は北翔大学客員教授で地域演劇の演出などに取り組む森一生さん。脚本は恵庭市でサンデープレイプロジェクトなどを主宰してきた任泰峰(にんたいほう)さん。出演者は千歳を中心に恵庭や苫小牧などに住む約50人で、年齢も8歳から76歳までと幅広い。多世代が一つの舞台をつくり上げる。

 千歳市公民館で13日に行った稽古は、本番まで1週間を切ったとあって白熱した。舞台袖から登場したり、せりふを言ったりするタイミング、一つ一つの所作など、演技細部を確かめた。水で満たされたバケツを手にするシーンの予行では、出演者が軽々と持ち上げて注意を受ける場面も。「小道具を持ったら使いこなさないといけない。使いこなせてない」と、森さんが厳しく指摘した。

 休憩時間中も、森さんから演技指導を仰ぐ出演者。和気あいあいとした雰囲気ながらも、舞台づくりに一丸となっているムードを伝えてきた。

 文の母親役で出演する国家公務員の女性(36)は「演技は難しいけれど、他の人を見ていると参考になります。いい作品になると思うので皆さんに来てもらいたい」と語った。

 脚本の改良や演出の変更などを経て、上演時間は当初予定より30分長い約2時間半の大作になった。北ガス文化ホール中ホールで午後1時と同6時の2回上演の予定だが、各回ともチケットは完売。実行委の釣晴彦実行委員長は「出演者は役に成り切り、演技に深みが出てきた。舞台では多くの世代が思いを一つにしている。貴重な空間と時間です」。目を細め、本番を心待ちにしている。

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