認知症に 優しい地域へ 千歳北陽高生 学びの成果披露

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  • 2020年1月9日

 千歳北陽高校の生徒8人が授業の一環で認知症について調べ学習を進め、壁新聞執筆やマスコットキャラクターの普及に取り組んだ。認知症を防ぎ、発症しても住み続けられるような地域づくりへ自分たちができることを模索。校内で開いた発表会で学びの成果を伝えた。

 活動に当たったのは、保育や福祉の業界を目指す生徒が多い同校の人文探求フィールドに所属する3年生。4組の本田正宗さん(17)、橋本麗良さん(17)、三田桜楽さん(17)と5組の油井凡一さん(18)、佐藤うららさん(18)、佐藤駆さん(18)、関優奈さん(18)、三木優奈さん(18)が「社会福祉基礎」の科目で8時限取り組んだ。

 発表会は昨年12月にあった。

 4組の3人は調べた内容を模造紙に「認知症新聞」としてまとめた。学校で行われた専門家の講演会や授業で認知症に触れた内容やインターネットで集めた情報も盛り、種類ごとの症状、予防に効果的な食材や運動法も記事化した。

 30分以上の運動を週2、3回行うことや自炊を勧める内容や千歳市内の高齢者で15%という認知症有病率なども市の統計から引用して記した。

 5組の5人も5月の校内認知症サポーター養成講座をきっかけに、制度の普及に一役買おうと企画。認知症でも安心して暮らせる地域に―との願いを込め、全国運動「認知症サポーターキャラバン」のキャラクター「ロバ隊長」の縫いぐるみ1体とキーホルダー4個を手作りした。

 型紙を購入するため市介護予防センターに相談すると、活動の珍しさが担当者の目に止まった。校内発表会も聞いてもらい、縫いぐるみはセンターに展示してもらう予定になったという。

 今回の学習について4組の本田さんは「認知症は高齢者だけでなく、若年性の種類もある。今回学んだことを忘れず、社会人になっても知識を役立てられれば」と話す。5組の佐藤うららさんも「身近な人が認知症になれば、誰もがびっくりすると思う」と言い、「そのときにみんなが少しでも情報を持っていて、対応しやすくなれば」と期待する。

 卒業前に人前で発表する機会としての授業を指導した岡田千佳教諭は「どちらのグループも授業内容を生かし、主体的に認知症を調べてくれた」と努力をたたえた。

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