春よ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年1月8日

 晴れた日の日差しが強くなってきた。極端な少雪と寒さの冬。かと思えば、きょうは北日本に暴風と重い雪の予報。異常気象は、春を待つのも難しい。

 山の子どもの春はイタヤカエデの樹液取りで明けた。萱野茂さんの「アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心」(平凡社新書)で紹介されていて懐かしく思い出した。

 堅雪の解け始める季節、イタヤの幹になたで切り込みを入れ、流れ出てくる甘い樹液を味わう。ニ(木)トペ(乳汁)と呼んだそうだ。樹液をイタドリの枯れた茎に入れて雪に刺しておき、運良く翌朝が寒ければ、アイスキャンデーをなめることもできたとか。自分はのこで樹皮に傷を付け、空き瓶を雪の上に立てておいた。瓶が傾いたり、トクサのストローがずれて、上手に採取できたためしがない。傷を付けただけで木に申し訳ないが、爽やかな香りと甘い味は覚えている。イタヤの樹皮の色や特徴は、もう忘れてしまった。

 春早くからギョウジャニンニクやフクジュソウ、ニリンソウ、ウドなどの植物たちに触れた萱野さんの書き残した、輝く色や香り、味の四季の記憶。外遊びや山菜採り、畑仕事の手伝いを通じて学んだ知恵と知識の中に広がる北海道の豊かさ、温かさがうれしい。

 いじめ、虐待、引きこもり、落ちこぼれ―。今の子どもたちにのしかかっている言葉の冷たさ、おぞましさを改めて思う。一日も早く、明るい春よ来いと思う。(水)

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