千歳市内のRBC本を読もう会(山田律子代表)はこのほど、「大人の読書会」を千歳市立図書館で開いた。出席者が会場に用意された絵本を朗読し、物語の世界観を共有して楽しんだほか、同会メンバーが戯曲の朗読劇を披露した。
大人が本に戻ろう―。そんな思いを込めたフレーズ「リターンブックチトセ」の頭文字を取って、団体名にRBCと名付けた。大人の読書会は年に2度、同図書館で開催。今回は約20人が出席した。
会場には約50冊の絵本が用意され、訪れた人はそれぞれ手に取り、希望者が読み聞かせをして見せた。子供が読む物と思われがちな絵本だが、大人の琴線にも触れる繊細で豊かな物語に目頭を押さえる人も見られた。
また同会メンバー5人が菊池寛原作の戯曲「父帰る」の朗読劇を披露した。家族を捨てて出奔した父が20年ぶりに帰宅した―という内容。父のほか母親、長男、次男とその妹の役を5人が演じた。落ちぶれた姿で現れた父を迎え入れる母ときょうだい、母の苦労を知るがゆえに受け入れることができない長男の心模様を表現した朗読劇を通して、参加者は名作の味わいを確かめた。