千歳市は市出身の声優、鈴木愛奈さん(24)が主演を務めるアニメ「邪神ちゃんドロップキック’」で、市内を舞台にした「千歳編」製作のための資金をふるさと納税制度で集めている。観光PRを目的とし、インターネット上のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」でも発表した。期間は31日までの今月いっぱいとし、目標額は2000万円。
ふるさと納税を活用したアニメの製作は、全国でも初めての試み。同アニメは、鈴木さんが声を演じる上半身は少女で下半身が蛇の姿をしたキャラクター「邪神ちゃん」と邪神ちゃんを人間界に召喚した女子大生「花園ゆりね」の同居生活を描いたコメディー作品。
2018年に北海道文化放送(UHB)やBSフジなどで放送され、20年4~6月に続編となる第2期が始まる。2期は、当初11話の予定だったが、資金調達がかなえば「千歳編」を加えた12話にする。支笏湖などを舞台とし、同じく市出身声優、花井美春さん(21)も登場する新キャラクター「リエール」役として出演する予定だ。
市は、ふるさと納税の返礼品として「千歳編」を収録した非売品のブルーレイを想定。さらに、関連イベントの参加券の贈呈も検討している。目標額を下回った場合は、寄付額内で同アニメ関連イベントなどを開催。目標額を上回った場合は、市の観光に関する取り組みに充当する。
市観光企画課の吉見章太郎課長は「千歳の町や観光スポットを、若い世代や全国的にPRすることができる」と展望し、「千歳編の放送を実現させたい」と意欲を示している。