アイヌ民族文化財団はこのほど、第23回アイヌ語弁論大会「イタカンロー」を北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)で開催した。27組が出場し、語り手から語り手へ受け継がれてきた口承文芸をアイヌ語で披露した。
「イタカンロー」は「話しましょう」の意味。大会はアイヌ語の振興と継承、学習成果の発表機会を目的に開催している。今回は千歳市在住の3人をはじめ白老町、札幌市、平取町、釧路管内阿寒町のほか、神奈川や千葉など関東圏からの出場もあった。「こどもの部」「口承文芸部門」「弁論部門」の3部門で審査した。
出場者は「シネ カムイユカラ クイエ クシネ ナ(カムイユカラを一つ語ってみたいと思います)」などとアイヌ語で話し、語りを開始した。
カムイ(神)への畏敬の念や自然との共生への思いを込め、それぞれのコタン(集落)で語り継がれてきた神謡や古老から伝えられた文芸。出場者は心を込めて発表していた。
弁論部門でも参加者は、アイヌとして生きる決意や文化に触れた感動など語っていた。