白老町社台の国道36号沿いにあった馬頭観音と地蔵尊の石碑が国道拡幅工事に伴い、旧社台小学校前に移設された。「地域の開拓の歴史を後世に残したい」と住民から保存を求める声を受け、道路の工事業者が移した。社台地区連合町内会は「長く守り続けていきたい」としている。
移設したのは大正時代、死んだ馬の供養で社台の開拓農家などが建てたとみられる馬頭観音2基のほか、1960年代に建立された交通安全の地蔵尊1基。社台の国道36号沿いに並んで立っていたが、拡幅工事の支障に。このため、地域の歴史を伝える石碑の消失を心配した住民から保存を求める声が上がっていた。
拡幅工事に携わる道栄建設白老工事事業所はそうした地域の希望に応え、馬頭観音と地蔵尊を元の場所から50メートルほど離れた旧社台小前へ運び、基礎のコンクリートと御影石の上に設置。10月29日には住民や同社の関係者らが現場に集まり、移設の完了を祝った。
社台地区町内会連合会の齊藤幸男会長(81)は、同社の善意に感謝し「先人の営みを伝え残す遺物として今後も大事にしていきたい」と話している。