むかわ町つくしの会(松並恵里子会長)は5日、町内の介護予防センターで防災セミナーを開いた。苫小牧市社会福祉協議会の一谷誠子さんを講師に迎え、今からできる災害時への備えなど防災に対する知識を深めた。
日頃から地域社会と関わることで防災の意識を高めてもらおうと開催。会員をはじめ、鵡川高校ボランティア同好会、鵡川婦人団体連絡協議会、ボランティアさつき会むかわ町赤十字奉仕団、町社協のメンバーが参加した。
防災士の資格を持つ一谷さんは「大切なものを守るための防災」と題して講演。大きな地震時に「家の中で亡くなる人が多い」と指摘し、素早く外に避難するため玄関の装飾は少なくすることや、窓から逃げる際は布団などクッション性のあるものを敷くことなどをアドバイスした。また「一人でも多く顔の見えるつながりをつくっている地域は強い。情報共有など普段から声を掛け合って、みんなで防災を進められたら」と強調し、特に「今の子どもたちは知らない人とは関わらない、知らない人に情報を伝えることができない」という傾向から、通学時などを利用して「あいさつなどこちらから声掛けをしてあげて」と呼び掛けた。
参加者からは1年前の被災体験から「大人が動揺すると、子どもたちに影響する。まずは大人たちが落ち着いて行動を示す姿勢が大事」「落ち着いて行動できるようにシミュレーションしておくといい」といった声が出ていた。また昼食には炊き出し体験なども行い、参加者たちがちゃんこ鍋やおにぎりを作って交流を深めた。
同会では、来年度に向けて給付型奨学金の奨学生や会で一緒に活動してくれる参加者を募集している。町内に在住する母子家庭の人が対象。問い合わせは、町社協穂別支所内の同会事務局 電話0145(45)3874。