恵庭市は3日、今年度から始まるJR島松駅(島松仲町)のバリアフリー化で総事業費が当初計画から1億円膨らみ、供用開始が約9カ月遅れることを明らかにした。事業主体となるJR北海道が計画を精査して単価を修正し、新たな工事箇所も追加するなどで施工日数が増加したのに加え、国による補助金内示が予定より遅れて工程が影響を受けた。市の負担は3300万円増となる。
同日行われた市議会の経済建設常任委員会(柏野大介委員長)で報告した。
市とJR、道運輸局で構成する「恵庭市生活交通改善事業計画策定協議会」が8月に了承した新たな計画によると、旅客トイレの洋式化を新たな工事項目として追加し、エレベーターの形状やスロープの仕様もそれぞれ変更。東京五輪開催などを受けた建設資材の高騰などで、工事単価も増額となった。同省の補助金の内示も当初予定の今年2月から6月にずれ込んでいた。
これらを受け総事業費は5億6000万円に。市、JR、国土交通省が3分の1ずつ負担する取り決めのため、市の負担は1億8600万円となる。また今年度に予定していたエレベーターの工場製作などは来年度に先送りされ、供用開始は2021年12月ごろの見通しとなった。
昨年11月にまとめた従来の計画案の総事業費は4億6000万円で、市の負担は1億5300万円。工事内容は3カ所ある乗り換え跨線橋へのエレベーター設置、駅舎内への多機能トイレ新設、車椅子対応券売機と自動ドアや手すり設置などで、供用開始は21年3月ごろの予定だった。
市は19年度当初予算に2900万円を整備事業費として計上していたが、今回の計画変更で初年度の負担は1300万円に。20年度は1億4600万円、21年度は2700万円を拠出する見通しだ。
委員からは「財源確保は大丈夫か」との声もあり、北越俊二副市長は「他の大型事業とのバランス、優先順位などを考慮していく」などと答えた。