白老町議会の定例会9月会議は4日開会した。会期は13日までの10日間。町の提出議案は、6億489万3000円追加の今年度一般会計補正予算案など議案9件、2018年度各会計決算の認定3件、報告5件の計17件。
4日の一般質問は前田博之(きずな)、吉田和子(公明)、吉谷一孝(いぶき)の3氏が登壇した。主な質問と町の答弁は次の通り。
▽前田博之氏
―白老町の2019年度全国学力テスト・学習状況調査の結果は。
町「小学校の正答率は国語、算数ともに68%。中学校は国語68%、数学と英語49%。小学校は全国平均と同等もしくはやや下回っており、中学校は全ての教科で全国を下回り、特に数学の差が大きい。算数・数学では大部分の領域で全国平均を下回っているため、本町の児童生徒は算数・数学を苦手とする傾向が見られ、主体的に学習に取り組む意欲が低いことも課題。学習支援員の配置などで学力向上の取り組みを進めたい」
―19年度学習状況の調査結果で、児童生徒の生活習慣や学習時間の課題は何か。
町「朝食の摂取、起床時刻や就寝時刻では一定の習慣が身に付いており、将来の夢や希望、いじめを許さない姿勢も良好な結果となった。しかし、小中学校とも家庭学習の時間は全国、全道平均より短かった。(スマホなどの)メディアに触れる機会や時間が多いためと考えられる」
▽吉田和子氏
―町子どもの生活実態調査を踏まえた貧困対策の施策推進について。
町「児童生徒と保護者を対象にした調査では、年収が低い階層ほど、保護者の就労形態が正規職員でなくパートなどの割合が高いことが判明。進学資金の準備もできていない割合も高かった。実態調査を通して、厳しい子育て環境に置かれている家庭があることが浮き彫りになったため、今後、必要な支援を精査し、関係機関と連携しながら検討を進めたい」
―第1期総合戦略の効果と課題は。
町「15年度に策定以来、結婚・出産・子育てが誇れる地域づくりを柱の一つとし、年間100人の出生数と合計特殊出生率1・40を重要業績評価指標に掲げ、子どもを産み育てられる環境づくりに努めた。しかし、出生数は16年度と17年度が各59人、18年度51人となり、転出超過も進み、人口減少に歯止めがかからない。効果的な施策で持続可能なまちづくりに努めたい」
▽吉谷一孝氏
―戸田町長の2期8年の総括について。
戸田町長「1期目は『町民の笑顔が見えるまち』、2期目は『協働が深化する多文化共生のまちづくり』を公約に掲げて各種政策・施策を積極的に進め、民間企業時代に培った経営感覚で知恵を絞り、工夫を重ねて公約実現に心血を注いだ。財政健全化にも取り組み、将来のまちづくりに必要な財政基盤の強化に努めるとともに、民族共生象徴空間を核とした新しいまちづくりに全力で挑んだ」
―将来を見据えたまちづくりへの考えは。
戸田町長「象徴空間への来訪者を含め、本町への年間の観光入り込み数300万人を目指し、観光の強化と関係人口の創出などに取り組み、地方創生を一層推進したい。また、健康のまちづくりの推進、若い世代の結婚や出産、子育ての希望をかなえる地域社会づくりを進め、誰もが健康で生き生きと暮らせるまちや、多文化共生のまちを目指していきたい」