勝利が決まると、ベンチを飛び出して笑顔でチームメートと喜びを分かち合った。ドジャースの大谷にとってメジャー7年目で初めてのプレーオフ。「試合前から球場の雰囲気とか、そういうのを感じて終始楽しいゲームだった」。米俳優のブラッド・ピットさんら著名人が客席に姿を見せ、5万人超が見詰めた一戦。短期決戦の緊張感が漂う中で、大谷は最後まで伸び伸びとプレーした。

　先発した山本が一回に3点を失い、劣勢で迎えた二回2死一、二塁。先発シーズの高めの約156キロを捉えて右翼席に運ぶと、バットを投げて雄たけびを上げた。貴重な同点3ランに「相手は球界トップクラスの素晴らしい投手。すごくうれしかった」。四回にも中前打で出塁して得点に絡み、打線をけん引した。

　前日の公式記者会見で「1打席目が大事」と話していた大谷。一回は追い込まれてから左飛に倒れたが、「1球目にカーブが来て、しっかり反応できた。少し落ち着いたというか、自分の中ですっと入れる感覚はあった」。心待ちにしていた大舞台で、いつも通りの気持ちで打席に立てたことが、次の回での本塁打につながった。

　6日のパドレスの先発はダルビッシュ。「チーム一丸となって、しっかりと得点できるように頑張りたい」と力を込めた。