海岸からルアーで狙う胆振太平洋の海サクラマスがシーズン終盤だ。苫小牧エリアでは、船の釣りと切り替わるように苫小牧港・東港辺りで3月に釣れ始め、6月以降は白老町の海岸で最盛期となる。釣り倶楽部担当は、紙面を実釣報告で飾るべく数回トライ。残念ながら締め切りまでに釣果はかなわず画像の付かない無念のリポートとなった。
通ったポイントは苫小牧市弁天と白老町。5月中旬から6月中旬にかけて、出勤前の早朝と休日、午前4時前から午前6時すぎの朝まずめまで、それぞれ2、3度実釣に臨んだ。ルアーは風が強かったり、波が立っている時などはジグを使い、穏やかな時はスプーン、ジグミノー、シンキングペンシルも使ってみた。
今月中旬の弁天海岸にはサクラマス狙いとヒラメ狙いのアングラー(釣り人)が繰り出していた。一本防波堤の基部から勇払方面まで60~70人が適度な間隔を空けて並び、誰もが熱心にルアーをキャスト。目視できた分で数百メートルの範囲に2、3匹上がったようだった。
海上ではサクラマスの跳ねがまれに見られた。魚はいるものの、魚影自体は薄めの印象だった。
一方、白老でも今月中旬、海岸線と並行するように国道36号がはしっている日の出町、東町の海岸、通称オカモト前に入った。30~40人ほどの釣り人が夜明け前からルアーを投げていた。
常連の釣り人に話を聞くと、白老では3週間ほど前から釣果が続くようになった。ベテラン勢が複数匹釣り上げる日もある。沖に人工リーフ(礁)があり、海岸との間が餌場となって魚の”回廊”ができている。その日は150メートルほど沖で魚の跳ねが見られた。
早々に1匹を釣り上げた札幌市の釣り人に話を聞き、助言に従って30グラムのジグをフルキャストして速いリトリーブで探った。近くで魚が釣れると、期待と気合で気持ちは高ぶる。一心にジグを遠投し、ひたすらリトリーブを繰り返したが、時間切れでさおを畳んだ。
風が静穏で雲は淡く、絵画のような朝焼けが広がった朝。美しい夜明けと潮の香りは芯から心を洗ってくれる。リポートを完結する当初の目的は果たせず惨敗感は残るとも、早朝のひと振りは無上の心地良さだ。
川への遡上(そじょう)が近くなるとサクラマスはルアーを追わなくなる。シーズン最終盤、リアクションを誘う動かし方や有効なルアーなど渋い魚の攻略方法を考えるのも面白そうだ。