移住者の課題など聞き取る 旭川大コミュニティ調査実習終了

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  • 2022年8月24日

 旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科の学生が、厚真町民を対象にした「コミュニティ調査実習」が20日に終了した。今回は移住者30人ほどから、地域での取り組みや受け入れ側の町民との関係性、課題などを聞き取った。

 今回の実習には同学科の2、3年生29人が参加。16~20日の5日間、大学と役場庁舎など町内をオンラインでつなぎ、グループごとに聞き取りを行った。

 地元にUターンした林業の丹羽智大さん(35)はインタビューに対し、町内に移住した林業関係者らと共に進める「96%ATSUMA CRAFT」について紹介。「旭川家具と肩を並べるまでではないが、木を切っている人、つくっている人の顔が分かるような、一つのものにこれだけの思いが込められているというものにしている。今の厚真には一連の流れができるメンバーがそろっており、面白いことができないか考えている状況」と伝えた。

 同学科2年の佐々木茜さん(20)は「量より質にこだわる林業は被災地ならでは。町外に出していくだけではなく、町内でも展開していきたいという声を聞けてよかった」と話し、同じく2年の東美穂さん(19)は「木を材料にする仕事だが、質を重視し、切り過ぎないということを意識しているのはすごい」と感想を語った。

 また、移住者の新たなチャレンジを受け入れる地域住民が多い一方で、移住者の希望と行政、受け入れ側の考えにズレが生じている事例も聞いた。佐々木さんは「移住者への積極的な支援はあるが、住む場所(が少ないこと)を指摘する人が多かった。農地だけではなく、近くに家を建てられるような仕組みがあればよりよい」と振り返った。

 学生たちが今回調査し、まとめた内容は来年1月に町内で予定している報告会で発表する。

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