白老文化観光推進実行委員会(熊谷威二会長)は、27日から10月10日まで白老町内で開催する芸術祭「ルーツ&アーツしらおい2022―白老文化芸術共創」のイメージ画像「メインビジュアル」を11日までに公開した。
メインビジュアルは、芸術祭に洞爺湖町から参加するアーティスト新井祥也さんが7月に開いたワークショップ(WS)などで町民が手掛けた表情豊かな土面群と、白老町出身、在住の彫刻家相吉正亮さん(82)の手書き文字「ルーツとアーツ」を組み合わせて構成した。
土面は町内の河川上流部で採取した粘土を使い、WSで新井さんと町民で制作、野焼きした。芸術祭期間中は、旧森野小学校(町森野)で展示する予定。
文字を手掛けた相吉さんは、ヨコスト湿原友の会が2017年に同湿原に設置した手彫り看板の作者。丸みを帯びた温かい筆致が特徴で、自身が経営する店の看板も自身によるもの。同実行委の事務局広報、山岸奈津子さん(41)が看板の文字にほれ込み、この看板をテーマにした7月6日付本紙の記者コラムを読んで揮毫(きごう)を依頼した。
山岸さんは「相吉さんは町に根差して環境保全や創作に取り組んでおり、事業の軸となる『ルーツ』と『アーツ』を体現している」と話す。相吉さんは「(関係者から)自然に向けた優しいまなざしを自分の書き文字から感じたと言ってもらえ、うれしく思う」と静かに語った。
完成したメインビジュアルは、近くポスターにして町内外に配布、掲示される。
芸術祭には11日時点で、アーティスト12組15人が参加する予定。16年に廃止されたアヨロ鼻灯台をはじめ、町立図書館、大町商店街など町内計13カ所で展開する。山岸さんは「芸術祭を新たな気付きや町の魅力を知る機会につなげて」と呼び掛けている。