長野県の中高生でつくる「ながの視察団AOKI咸臨丸」の一行が5~7日の3日間、安平町に滞在した。メンバー11人は町内の農家や教育関係者から課題を聞き取り、対策を町に提言。地元食材など地域資源に目を向けた若者らの新鮮なアイデアに多くの関心が寄せられた。
視察団は、公益財団法人AOKI財団(横浜市)によるリーダー育成プログラムのグループ。長野県内から将来の国家リーダーを志す若者を養成しようという趣旨で、応募者から選抜された中高生が1年以上かけて研修に取り組み、英語やビジネスを学んだり、各地を視察したりしてリーダーに必要な知識や感性を身に付ける。
今回、安平町を訪れたメンバーは「食・農業」「子育て・教育」をテーマに研修。5、6両日、関係部署の町職員や農業者らを訪ね、各分野の課題などを聞き取りした。その後、対策について話し合い、最終日の7日、町役場で提言発表に臨んだ。
農業について調べたグループは「安平の農産物の知名度が低い」「ソウルフードがない」といった課題を指摘。地元特産のチーズやトマトなどを使ったオリジナルピザを開発し、安平のソウルフードにしていくことを提案。建物の中に畑を造り、天候に左右されずに野菜が育てられる新しい畑作のアイデアも出した。
子育て・教育を調査したグループは、閉校になる校舎を利用し、小中学生も参加できるカフェの運営を提案。安平の教育、子育て支援を知ってもらう日帰りツアーや出前講座を企画し、SNS(インターネット交流サイト)と並行してアピールすることも提言した。
及川秀一郎町長は「われわれが思い付かないような切り口、発想はとても参考になる。すぐにでもやりたいことや、将来的に考えていきたい提案もあった」と講評していた。