北海道教育委員会が6月に公表した2023~25年度の公立高校配置計画案で、むかわ町の穂別高校が25年度から入学者募集を停止する案を示したことを受けて27日、穂別町民センターで説明会が行われた。道教委は27年3月末に閉校する予定で、9月に最終決定する方針。
説明会には地元小中学校や高校の教員、地域住民らが出席。新型コロナウイルスの流行で大々的な募集活動ができなかった点も挙げ、「留保する期間を設けてもらえないのか」「中学生の保護者への説明や意見は聞かないのか」といった要望や質問、「他の高校に行く場合、住んでいる場所柄、通学が難しくなる」と心配の声が寄せられた。
穂別中学校に子どもが通う今荘公太さん(38)は「もう少し早くから話があれば、いろんな手だてがあったと思う。この段階で再編について言われても遅過ぎる」と指摘し、「地元で『穂別高校に行きたい』という子が遠方に行かなければならなくなる。(道教委には)もっと具体的なものを提示してほしい」と訴えた。
道教委の担当者は「地域連携特例校として、地域の取り組みを勘案した上で再編整備を保留していたが、2年連続で入学者数が10人未満となったことから(募集停止の)基準に該当する」と説明。「一定数生徒がいる中での教育環境の提供が望ましい」と理解を求めた。
穂別高校は1951年に当時の穂別村で、村立高校(定時制)として開校。53年に全日制課程が設置され、63年に道立高校となった。近くに町立の生徒寮「穂星寮(すいせいりょう)」があり、町外からも多くの生徒を受け入れて400人を超える時期もあった。
しかし、少子化や地元の中学校からの進学が減少の一途をたどった。道教委が提示した資料によると、2007年度の在籍者数が1学年36人だったのに対し、ここ3年間は10人以下で推移。穂別地区の中学校からの進学率は07年度の75・8%から、今年度は13・3%まで落ち込んでいた。