生産資材高騰を危惧 3年ぶり農業振興対策協議会 水活見直しで意見交換 JAとまこまい

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2022年7月1日

 とまこまい広域農業協同組合(宮田広幸組合長)は6月30日、東胆振1市4町の首長らと意見を交わす「農業振興対策協議会」を苫小牧市の日胆農業会館で開いた。肥料、飼料、燃料など生産資材の価格高騰、国による水田活用直接支払交付金(以下水活)の見直しなど、生産者を取り巻く厳しい環境への認識を共有し、JAと行政の連携強化を再確認した。

 同JA管内で毎年、開催地を変えて開いているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年、21年と中止したため、3年ぶりの開催となった。同JAや管内1市4町をはじめ、道、JA北海道中央会など関係者約30人が出席。宮田組合長は開会あいさつで「生産資材の高騰、水活見直しなど米政策の転換、低金利政策の長期化など厳しい情勢だが、組合員の所得向上、農業の振興にいっそう努力する」と強調した。

 同JAの事業計画などを報告して意見を交換。生産資材の価格高騰や水活の見直しは、生産者の経営や生活に直結し、中央会も「具体的な対策は参院選後との話も聞こえてくるが、『生産者でできる範囲は超えている』というのがJAグループの認識」などと説明する中、首長らの意見も自然と熱を帯びた。

 厚真町の宮坂尚市朗町長は「生産資材高騰は市場への価格に転嫁できず、生産者はモチベーション維持が大変。道は肥料には対策を講じているが、燃料、飼料と総合的コスト対策が聞こえてこないことが残念」などと厳しく指摘し「JA、行政が足並みをそろえて声を届けなければ」と訴えた。

 むかわ町の竹中喜之町長も、水活見直しによる制度の厳格化を懸念しつつ「危機を乗り越えるため連絡会議を設置した。解決策などを調査研究し、対応を農業関係機関団体と一丸で進める」と強調。喫緊の課題が目白押しの現状を再確認し、宮田組合長は「連携を強化し、取り組みたい」と気持ちを新たにした。

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