白老町の北海道栄高校で27日、3年生を対象にした租税教室が開かれた。室蘭税務署税務広報広聴官の永浜志朗さんが講師を務め、税の仕組みや種類などについて解説。生徒たちは、国民生活を支える税の重要性について理解を深めた。
永浜さんはまず、所得税や消費税、法人税など、直接税と間接税を合わせて約50種類の税があると説明。国民が納める税金が医療や介護、年金といった社会保障をはじめ、インフラ整備などさまざな公共サービスに使われているとした。
各国と日本の消費税についても解説。「各国との比較で日本の税率は低い。だが、スウェーデンなど高い国もあり、その代わり社会保障が充実している」と説明した。その上で「高齢化の進展により日本の社会保障の支出は増えていくので今後、受益と負担のバランスはどうあるべきか、一人ひとりが考えてほしい」と呼び掛けた。
生徒らは消費税率の在り方をテーマにグループで討論。阿部太一さん(17)は「(超高齢化などこれからの時代を考えると)税率を上げた方がいいのではと思う」とし、竹内叶愛(とうあ)さん(17)は「税金の使われ方を意識しながら社会を見詰めていきたい」と話した。
締めくくりに永浜さんは「国民一人ひとりが税の使途に目を向け、建設的な議論を交わしていくことが大切」と述べた。